【チェルすく第13回】マンチェスター・シティがカチコンでくるらしいのでどうにか耐え忍びたい

前々回にナッシュビルSCの話をしたが、今度は同じナッシュビルのタイタンズ🏈もプレシーズンが始まった。

Week 1ではサンフランシスコ・49ersに19-13で勝利。 ただ、2年前も3戦全勝したが、シーズン本番は3勝14敗、昨年も2勝1敗で3勝14敗だった。 野球もそうだが、プレシーズンの成績は、得てして「参考記録」になりがちなイメージがある。

そもそもNFLのプレシーズンは控え選手や、ロースター当落線上の選手にとってはオーディション的な意味合いが強い。
プレシーズンを4試合から3試合に削ってからは、尚更主力選手は調整で数プレー出る程度になってしまった印象だ。
サッカー以上に勝敗だけ見ても仕方がない気がしている。

一方で、各チーム53人のロースターに入るか、原則16人の練習生 (Practice Squad) で残るか、それも叶わなければチームを離れることになる、ユースやマイナー組織を持たないNFLのロースター制度は、それはそれで面白さがある。

……ということで、「フットボール」に戻ろう。

💡前回までのあらすじ💡

第0回から第7回にかけて、FM23で2022年夏のチェルシーに戻り、トゥヘルの3-4-2-1を出発点にチームを再構築。

プレミアリーグでは第4節のオールド・トラッフォードでの勝利を含む開幕4連勝を飾り、その後5勝1分で首位に立った。しかし、その後のブレントフォード戦とRBザルツブルク戦では退場者を出し、公式戦2連敗を喫した。

続くアストン・ヴィラ戦は白星で立て直したが、前回、代表ウィーク明けに迎えたトッテナムとのロンドンダービーでは、クリバリのプッシングから与えたPKが決勝点となり、0-1で敗戦。

判定には不満が残ったものの、後半は相手に主導権を握られ、チェルシーの枠内シュートも1本だけ。判定だけを敗因にはできない内容だった。

リバプールと勝点19で並び、得失点差でプレミアリーグ2位へ後退。

続くチャンピオンズリーグ第3節では、ボデ/グリムトの守備をなかなか崩せなかったが、終盤にマウントのクロスからオーバメヤンが均衡を破り、1-0で勝利した。

そして、その試合から中2日。

次はスタンフォード・ブリッジに、マンチェスター・シティを迎える。

🏙️マンチェスター・シティを分析する🏙️

試合前時点で、シティはプレミアリーグ8位。

順位だけを見れば、2位のチェルシーがホームに迎える一戦である。

ただし、腐っても鯛ではないが、多少不調でもマンチェスター・シティである。

史実でこのシーズンに行われたスタンフォード・ブリッジでのマンチェスター・シティ戦は、年明けの2023年1月。負傷者にも見舞われたチェルシーは、後半にマフレズのゴールを許して0-1で敗れている。

実際、Data Hubに並ぶ数字を見ると、まったく安心はできない。

シティはリーグ戦で1試合平均19.89本のシュートを放ち、非PKのxGは1.82。パス成功率も87.99%に達している。

シュート数はリーグでも突出しており、パスワークと運動量もスカウトレポートで強みとして挙げられていた。

一方で、得点は1試合平均1.56。多くのシュートを放っている割には決定力が追いついておらず、攻撃効率は「積極的だが浪費的」と分析されている。

守備も1試合平均1.22失点、xGA 1.20。攻撃ほど圧倒的な数字ではなく、まったく隙がないわけではない。

基本布陣は4-3-3 DM Wide。

直近18試合の82%で採用されており、ハーランドを中央に置き、両サイドと中盤からゴールへ迫る。

特に警戒すべきはスルーパスだった。

直近18試合で記録した27アシストのうち、10本がスルーパスから。得点位置もペナルティーエリア中央へ集中している。

その先にいるのが、ハーランドである。

得点数だけでなく、非PKのxGでもリーグのFW陣から明確に抜け出していた。

デ・ブライネやフォーデンも、それぞれ得点、キーパス、アシスト期待値で高い数字を残している。

パスの出し手と受け手を、どちらも自由にしてはいけない。

…ここまでの分析を見て、まず考えたのは守備ラインを下げることだった。 高いラインを維持すれば、スルーパス一本でハーランドに背後を取られる危険がある。ホームゲームとはいえ、0-0でも構わない。まずは試合を壊さないことを優先するつもりだった。

👥スタメンを見て、少し方針転換👥

ところが、発表されたシティの先発にはデ・ブライネもフォーデンもいなかった。

前線はグリーリッシュ、アルバレス、ハーランド。中盤にはギュンドアン、カルバン・フィリップス、ロドリが並ぶ。

もちろん、それでも十分すぎるほど強い。

ただし、最大級のスルーパス供給源であるデ・ブライネと、得点にもチャンスメイクにも絡んでいたフォーデンが不在となれば、警戒すべき対象は絞りやすくなる。

ハーランドさえ自由にしなければ、想定していたよりは前から対抗できるかもしれない。

そこで、守備ラインを下げて自陣に籠もる案は取りやめた。

High PressとHigher Defensive Lineを維持し、プレス頻度も上げる。

相手GKからの短い配球を阻止し、ハーランドへボールが届く前に出どころへ圧力をかける。

ハーランドにはタイトマークを設定。グリーリッシュとアルバレスを含む前線3人は、利き足と逆側へ追い込んだ。

一方で、タックルは無理に仕掛けない、Stay on Feetを採用。 タックルを交わされてピンチを拡大するほうがまずいと判断した。

結局のところ、今回は、背後のスペースを消すのではなく、ハーランドへボールを届けさせない方を選んだ。

ボールを奪った後の方針も調整した。

「スペースにパスを出す(Pass Into Space)」を解除し、後方からつなぐ方針と短めのパスを維持する。

奪った直後に無理なボールを蹴り、すぐに取り返されてカウンターを受けるより、まずは手堅くつなぎ直す。

守備では前から対抗する一方、攻撃ではシティとの慌ただしい応酬を避ける狙いだった。

👥休養十分?主力を戻してキックオフへ👥

試合当日のフィットネステストでは、ブロヤが問題なく出場可能。 プリシッチもテストを通過したが、出場時間は最大75分に制限された。

プリシッチはベンチ入りし、3番手STのブロヤはメンバー外となった。

ボデ/グリムト戦から中2日だが、そもそもCLはターンオーバーしていたので、先発には主力を戻す。

👓 < 主力一部不在でも強い。でもここで勝つしかない

GKはメンディ。

3バックはフォファナ、チアゴ・シウバ、クリバリ。

両WBにはリースとチルウェルが入り、中盤はカンテとコバチッチ。

前線はマウント、スターリング、ハヴァーツとなった。

対するシティは、直前の試合から先発を6人変更。

ハーランド、グリーリッシュ、アルバレスの前線3人は予想どおりだったが、デ・ブライネ、フォーデン、マフレズは先発から外れた。

中盤はギュンドアン、カルバン・フィリップス、ロドリ。

試合前のTeam Talkでは、ホームの利を活かして結果をつかもうと選手たちに伝えた。

さらに各ユニットへ「信頼している。違いを作ってこい」と声をかけ、チームをピッチへ送り出す。

対ハーランド、対マンチェスター・シティ。

いざ、キックオフ。

⚽️マンチェスター・シティ戦・前半⚽️

キックオフ直後からボールを握ったのはシティだった。

チェルシーは無理に保持率を争わず、前線からボールの出どころへ圧力をかけながら、ハーランドへ縦パスを通させない。

シティにボールを持たれる時間は長かったものの、狙いどおり、危険な形でゴール前へ入られる場面はほとんどなかった。

前半のシティはシュート3本、枠内シュート1本、xG 0.09。

ハーランドにもシュートを1本打たれたが、決定機には至っていない。タイトマークを設定し、その手前にもカンテや3バックを置いたことで、最大の脅威を試合から切り離すことができていた。

守備ラインを下げずに前から対抗する以上、剥がされれば背後には広大なスペースが残る。

それでも、チェルシーのファウルは前半を通してわずか2回。無理にタックルへ飛び込まないStay on Feetも機能し、シティに安易なセットプレーを与えなかった。

ボールを奪った後も、急いで背後へ蹴るのではなく、短いパスでつなぎ直す。

保持率は40%にとどまったが、パス成功率は90%。シティの88%を上回っており、限られた保持時間の中で簡単にボールを返さず、8本のシュートまで持ち込んだ。

「スペースにパスを出す(Pass Into Space)」を外したことで攻撃の速さは抑えられたが、シティとのカウンターの応酬を避けるという狙いには合っていた。

ただし、前半終了が近づいた39分手前。

マウントが接触プレーで負傷。 本人はプレー続行可能だと言うが、優勝のかかった最終節やCL決勝でもない限り、こういう時にリスクは取りたくない。

予定していなかった交代だったが、プリシッチを投入。試合当日のフィットネステストでは出場時間を75分までに制限されていたものの、この時間からなら最後までプレーできる計算だった。

そして42分、その直前にエリア内で倒されるもノーファウルだったスターリングが、プレスバックでボールを奪い返し、ドリブルで相手ディフェンスをぶち抜くと、再びエリア内で倒され、今度はPKの判定。

👓 < 奪い返してファウル獲得。理想的なシャドーすぎる

キッカーを務めたのは、チアゴ・シウバ。

👓 < マウントを下げたからだ…でも結果オーライ

方向は読まれたもののなんとかゴールへ押し込み、チェルシーが先制した。なんか逆の展開で既視感があるが…

前半は、そのまま1-0で終了。

👓 < 今のところ上出来すぎる

チェルシーはシュート8対3、枠内シュート3対1、xG 1.34対0.09。保持率では40%対60%と下回ったが、シティにはほとんど決定的なシュートを許さなかった。

もちろん、チェルシーのxGにはPKが大きく含まれている。

自分たちの攻撃が圧倒的に機能していたわけではなく、1点のリードは明確な上振れだった。

それでも、もともとの目標は0-0で前半を耐えること。

ハーランドを封じ、シティ全体をxG 0.09に抑えたうえで、想定外の先制点まで手にした。

これ以上ない形で、ハーフタイムを迎えることになった。

🏃‍♂️逃げ切りの45分💨

ハーフタイムでは前半の出来を素直に評価。 守備陣と中盤を褒め、攻撃陣には引き続き違いを作るよう促して後半へ。 なお、フォファナだけなぜか集中を失った。褒めたのに。 …いや、褒めたからか。ここで満足しては困る選手なのだが。

後半、なんとペップ監督はハーランドを下げて、コール・パーマーを投入。 ボールはシティに持たれたが、決定機を与えない流れは変わらない。 すると68分。

👓 < 点を取ること考えてたから集中してなかったのかもしれない

フリーキックを得ると、ハヴァーツにフォファナが頭で合わせ、ふわっとしたシュートがエデルソンを交わして、2-0。 前半はハーランド封じに奔走していた男が、あっと驚く一撃でリードを2点に広げた。

70分を前に、疲労の見えたコバチッチ、チルウェル、ハヴァーツを下げ、ギャラガー、ククレジャ、オーバメヤンを投入。 シティも、この前後でマフレズらを投入して反撃を試みる。

さらに80分手前にはスターリングに代えてロフタス=チークを送り込み、残り時間を乗り切りにかかる。

それでも大きな決定機はほとんど作らせなかったが、90分。

👓 < 途中で足を止めている。流石に困る

左サイドを駆け上がるマフレズがリース・ジェームズを振り切って、余裕でクロスを出すと、中央でどフリーになっていたグリーリッシュが容易に合わせて、1点を返される。

90分とはいえ、これは疲労だけでは片づけられない。リースは途中で追走をやめ、中央の守備陣も完全にボールウォッチャー。試合を締める場面としては、明確に喝である。

…なんとか残り時間をしのぎ切り、2-1で試合終了。

👓 < マンチェスターのクラブ相手に2-1…?(既視感)

シュート数は18対4、枠内シュートは5対2、xGも2.12対0.53。保持率こそ41%にとどまったが、シティにボールを持たせながら危険なエリアへの進入を抑え、こちらは限られた保持時間から継続的にシュートまで持ち込めていた。

翌朝の分析レポートでは、チェルシーのxGは1.94へ再集計されていたが、それでもシティの0.53を大きく上回っている。

👓 < 勝てばいいのです

マッチモメンタムを見ると、前半は互いに主導権を奪い合っていたものの、後半はチェルシーが優勢。特に48分から59分にかけては明確に試合を支配しており、単に自陣へ籠もってリードを守り続けた試合ではなかった。

シティには729本のパスを通されたが、パスマップでは、その多くが低い位置や右サイドでの循環にとどまっている。デ・ブライネとフォーデンを欠く攻撃陣に対し、ハーランドへの供給を遮断し、相手の攻撃を脅威の小さい場所へ誘導する狙いは機能したと言ってよさそうだ。

ただし、直近5試合で1勝4敗と調子を落としていたシティが相手で、こちらの得点もPKとセットプレー。同じ試合をもう一度やって、同じように勝てる保証はない。この結果を、そのままシティとの実力差が埋まった証拠と捉えるのは早計だろう。

それでも、相手の中心を絞り、ハーランドを前半だけで退かせ、シュートを4本に抑えた。展開には恵まれたが、ゲームプランまで偶然に機能したわけではない。

再現性には疑問が残る。それでも、この日の勝利は内容を伴ったものだった。


さらに翌日、ニューカッスルがリバプールを2-0で撃破。勝ち点22のチェルシーは、ニューカッスルを1ポイント上回って単独首位へ返り咲いた

👓 < 四半期でいえば1Q終わり (社会人すぎる)

史実のチェルシーは延期となった2試合を抱えていたため、10試合消化時点にあたるのは第12節のブレントフォード戦だった。 第10回でも登場したアウェイのブレントフォード戦だが、この試合はスコアレスドロー。10試合消化時点で6勝2分2敗の勝点20で、4位であった。

…よく考えたら、シーズンの1/4が終わったのである。この時点で、勝ち点1差とはいえ、首位である。 史実と比べても勝点2の差しかないが、よく考えたら史実でのビッグ6戦は、開幕第2節のスパーズ戦のみであった。 すでにビッグ6戦を3つ消化しての、この結果であることを考えると、上出来ではないだろうか。

自力でシティを退け、翌日はニューカッスルにも助けてもらう。内容に再現性があるかはさておき、結果だけを見れば最高の週末になった。

この勢いをそのままに、CLグループステージ、リーグ戦とも、一気にブーストをかけていきたい。

まずは、ボデ/グリムトとの再戦、そしてリバプールを破ったニューカッスルとの試合。またしても大一番と言っていいだろう。


次回: 【チェルすく第14回】相変わらず過密日程だがどうにか連勝したい